絵に目覚めたとき

私は幼いころから、絵を描くのが好きでした。夢も画家か漫画家になりたいとずっと思っていました。けれども本当に私が絵に目覚めたのは、高校の美術室にあった、失敗したカラーコピーを見た時だと思います。

そのカラーコピーはブレていて、机の上に無造作に放置されていたのですが、何とも美しく感じ、感動したのを憶えています。そのカラーコピーの作品が、あの有名な藤田嗣治氏の作品であるとわかったのは、だいぶ後になってからでした。