絵に目覚めたとき

私は幼いころから、絵を描くのが好きでした。夢も画家か漫画家になりたいとずっと思っていました。けれども本当に私が絵に目覚めたのは、高校の美術室にあった、失敗したカラーコピーを見た時だと思います。

そのカラーコピーはブレていて、机の上に無造作に放置されていたのですが、何とも美しく感じ、感動したのを憶えています。そのカラーコピーの作品が、あの有名な藤田嗣治氏の作品であるとわかったのは、だいぶ後になってからでした。

絵を好きな理由

絵が好きな理由は創造的な生きた絵、むしろ「絵という生命」ともいうべき絵を観ることは快感であり、官能的でさえあるからです。それは創造の瞬間を垣間見ることができるからです。私は絵の中に生命が宿された絵を観ると目を逸らせなくなり、ずっと観ていたいと心惹かれます。それは絵を制作する作者の心に魅かれるのだと思います。

物質から何か訴えてくるもの、生命を感じる絵の不思議さ。いつしか、気持ちを絵に閉じ込め創造した「絵という生命」を作りたいと思うようになりました。